妻の悲鳴の先に発見されたのは、床に広がった液体。
大さじ4杯=60㏄くらいか。
すぐににおいを嗅ぐわたし。
尿のようだが、アンモニア臭はしません。どちらかというと甘いにおい。
現場は、リビングとトイレをつなぐ廊下にある収納の敷居。
荒らされた跡もなく、足跡もついていない。
さっきトイレに行ったときはなかったのに・・・
イタチ?ネコ?アライグマ?ヒト?
立て続けに被害
数日後、4月20日、妻からLINE
第2の被害現場を発見!あま臭いおしっこ発見。
現場は北側の和室の押し入れの敷居の上。
改修待ちの段ボールや、廃棄予定の絵本や遊ばなくなったボードゲームを置いていたスペースです。
第3の被害は5月1日、南側の縁側。
天井を見ると、うっすらとシミが!
どうやら天井から落ちてきた様子です。
第4の被害は5月13日。
雨の朝で、次男と長女を車で送ろうとした玄関先。
ここは完全に密室空間です。扉も締まっているし侵入経路はありません。
明らかに天井から滴り落ちた溜まりがありました。
あま臭い液体で、やはり量は大さじ4程度。
基本的に腰の重いわたしも、そろそろ手を打たねばと立ち上がりました。
誰に相談すればいいのだろう
害獣駆除を依頼しよう。
業者もさまざま。例にもれず、比較サイトがいくつかあり、広告を出している業者の自社HPにはたどり着きます。
調べてみると、施工内容や費用に幅がありそうです。
誰に依頼をすればいいかはわかりません。
2業者に見積もりをお願いすることにしました。
5月15日(水)「かなり深刻な状況ですね」
まずはひとつは、比較サイト上位の業者さん。
こちらは、実地調査の際に、住人全員の立ち合いを条件に、無料で調査に来てくれるとのこと。
月曜日に電話をして、水曜日の夕方に来てくれました。
はるばる大阪からやってきたのは30-40代の男性。天井裏をのぞいたり、侵入経路を見たりすることもなく、テーブルに着いてわたしと妻の話を聞き取ってくれました。
「かなり深刻ですね」
感じの悪い方ではなかったですが、具体的な話をせず、ひたすら不安をあおってくるようなセールストークのような語り口に、最後まで心許せず。
30分ほどのヒアリングで、害獣の種類や特徴、これから拡大していく被害、害獣駆除の施工内容などの勉強にはなりました。
足音の大きさ、しっぽをするような音、尿の量、イタチ臭がないことなどから、どうやらアライグマが侵入しているのでは、とのこと。
アライグマは、柴犬ほどの大きさで、女性の握りこぶし大の穴があると家屋内に侵入してきます。
状況からすると、我が家の居心地がよく、住み着いて子育てをはじめようとしている段階だそうです。
- 天井裏を動いている音がする
- 尿が天井から落ちてくる
- ダニやノミ、感染症などの危険が増える
- 天井が腐って、落ちてくる
- ひっかいたり、かじったり、家屋が損傷する
子どもが生まれると、これらの被害が一気に進むので、早急に対応すべしとのこと。
作業内容には、段階があります。
- 今いる個体を追い出す。忌避剤散布や煙を使用する。→実害の原因を除去
- 侵入経路をふさぐ。→物理的に外敵の侵入を防ぐ
- 溜まった糞や尿を除菌・無害化するために薬剤を噴霧する。→菌、ダニ・ノミを死滅させる
- 生活の形跡を洗浄する。→帰巣本能があるので、トレースできるにおいのもとを除去
- 他の個体を寄せ付けないにおいをつける。→忌避剤を設置する
予算に応じて、施工内容を組むそうで、作業面積からすると、30~60万円ほどかかるということでした。
・・・想定をはるかに超える金額に、心揺さぶられました。
5月15日(水)「繁忙期のため、2週間後までいっぱいです」
ひととおり話を聞いたところで、次は、床下のシロアリ防除でお世話になっている業者さん。
スケジュールが埋まっていて、2週間後まで現地調査にも来れないという回答。
個体を追い出しつつ、捕獲にも取り組むというのが、先ほどの業者さんとの違いで、費用も含め、ほかは同じような話が聞けました。
今年は暖かいからか、繁殖は例年よりも早く、施工先でもすでに出産がはじまっている例もあるそうで。
子どもが生まれた後に、駆除作業をした場合、仮に追い出しや捕獲に成功しても、残った子どもが天井裏や壁の中でで死んでしまうというやっかいな状況も起こりうるのだとか。
急かされる。
ふたつの業者さんの話で、危機感が迫ってくると同時に、施工費のイメージと覚悟もできてきました。
定期的に白アリ防除をしていて、幸い、シロアリ被害は起こっていません。
立地上、野生動物の害獣被害は避けられないことで、築24年にして、ついにやってきたということでしょうか。
運が悪いと言えばそうですが、資産価値を守る必要な費用として拠出する決意はできました。
5月16日(木) 地元の業者さん
多忙のシロアリ業者さんからの助言で、地元の駆除業者も調べてみました。
検索にヒットしたのが、自宅から30~40分のところにある業者さん。
朝に電話をしたら、その日のお昼に来てくれるとの回答。
天井裏調査
作業着を着た背の高い同年代くらいの男性で、少しの聞き取りの後、天井裏を見てもらいました。
1階は田の字型の4つの和室で、どの部屋にも天井点検口がついています。
脚立を使って、天井裏をのぞいてもらうと、
- 部屋ごとに天井裏も区切られている
- 部屋と部屋の間には5㎝程度の隙間がある
- 各部屋の天井裏はきれいで、動物が侵入した形跡はない
- 点検口から覗き見ることはできるが、のぼって作業できる構造ではない
一番怪しい縁側には点検口がなく、直に見ることはできませんでした。
隣接する和室の天井裏と、縁側の天井裏に3㎝ほどの隙間があり、そこから中の様子が少しわかりました。
- 動物の糞がある
- 糞が点在している場所と集中している場所がある
- おそらくアライグマの糞
やはり縁側の天井裏が活動エリアということです。
発見!アライグマの足跡
次に外に出て、侵入経路を見てみます。
どの日本家屋でも、怪しいのは、三角屋根の根本だそうです。
通気のために、あえて隙間を埋めていない箇所があり、動物が侵入しやすいとのこと。
まずは、母屋の東側の離れとの間にあるトタン屋根部分に上がってみました。
トタン屋根の上に、かわいらしい足跡と糞を発見!
明らかにアライグマで、侵入口を探したけども、隙間がふさがれていて、入れなかった様子でした。
離れ側(東)は大丈夫そう。
本命は西側。
家の西側は竹やぶになっています。
普段はあまり見ることもありません。
竹やぶに大きな木が生えていて、その枝が屋根にかかっています。
竹も屋根にかぶさるように垂れていて、野生動物が屋根に上がる通路になっていました。
さて、縁側の延長にある三角屋根。
こんな風になっているとは気づいてもいませんでした。
見てはいるのに、見ていないとはこういうことですね。
侵入口が判明!
- 瓦がずれている
- アライグマの糞がある
- アライグマがベッドにする木の繊維が落ちている
明らかにここが出入口!
ついに、というか、いとも簡単に出入口が特定できました。
さてここからどうする。
- とりあえず侵入経路をふさぐ
- 外にいればもう入って来られない→いったん解決
- 中にいれば閉じ込められる→捕獲するか、追い出すかの処置が必要。
- 屋内にいなくなったら、縁側の天井裏活動エリアの清掃と殺菌
「天井裏の点検口をつけてくれたら、清掃作業はできますよ」
これは次のステップ④です。
業者さんとのやり取りはここまで。
「現地調査」にわたしが期待していたのはまさにこういうことでした。
先日の大阪の業者さんの話ではあまりに物足りませんでしたが、今回の地元の業者さんの話は大満足。
無料調査のまとめ
電話相談も含め、3つの業者さんと出会って、これまでのいったんのまとめはこちら。
- 天井裏に侵入しているのは、アライグマ
- 立ち寄りなのか、住み着いているのかは今のところ不明
- 対応する必要があるが、急務ではない。落ち着いて。
大事なのは、セカンドオピニオン。
ひとつの業者さんの話を妄信して、焦って打ち手を決めてはいけません。
いくつか意見を聞いて、信ぴょう性のある/信じたい相手をいったんの「よりどころ」としてみるのがよさそうです。
5月16日(水) 進入路をふさいでみる
業者さんを見送って、さっそく侵入経路をふさぐのに取り組みます。
ステンレスの金網が手元にあったので、設置してみることにしました。
ふさぎ方を思案しつつ、金網をカットしたところで長女のお迎えの時間になりました。
玄関で靴を履き替えようとしたそのとき、ん?あま臭いにおい・・!?
ぽたぽた音も聞こえる気がして振り向くと、天井から玄関にしたたっているではありませんか。
いる!
しかし、とにかくは長女の迎えに行かねば。
帰宅し、あま臭いおしっこを掃除しました。
16:00 アライグマは屋内
今、侵入経路をふさぐと、中に居座ることになるので困る。
侵入経路を特定するために、金網の取り付けはを軽めにして、様子を見ることにしました。
5月17日(金)
翌朝6:00
軽めに取り付けた金網が外れていました。外出した?
侵入経路(のひとつ)が特定されました!
16:00 妻からLINE
縁側の天井裏から鳴き声が聞こえる→市役所に電話し、捕獲器を予約
19:45 妻からLINE
アライグマが家の前を歩いているのを発見
21:00 帰宅し、侵入経路を金網で軽くふさぎ、周辺にネズミ捕獲用のトリモチを設置
このとき、キューキューという小さな鳴き声
どうやら、赤ちゃんアライグマがいるようす。
昨日は声が聞こえなかったので、今日が誕生日?
5月18日(土)
7:00 変化なし
13:00 縁側の天井裏から、あま臭いおしっこが垂れる。侵入口は変化なし。
ほうきの柄で天井裏をつつくと鳴き声と足音が聞こえる
5月19日(日)
7:00 17日に設置した金網とトリモチがよけられた形跡
→金網を丸めて侵入口にギュッと押し込んで、もう一度侵入口をふさぐ
19:00 ギュッと押し込んだ金網が外れて、侵入口が通れる状態に。なんとしてでもここから入りたい様子。
日中の鳴き声、おしっこは確認されず。
これまでの行動パターンから推測すると、
19:30ごろ外出
6:00以降に帰宅(18日の帰宅経路は不明)
13:00ごろ16:00ごろは天井裏に
メインの侵入経路は特定されていますが、他にも経路はあるような気がします。
5月20日(月)
そういえば、どの方向から侵入口にアプローチしてくるかがわかっていません。
朝になって、侵入口を少し強固に金網でふさぎ、周辺に薄く米ぬかをまきました。
これでわかるかな?
午前中に市役所に捕獲器を借り、設置。
エサはメロンパンにしました。
この日は、鳴き声も足音も確認できませんでした。
ピリッとしない結末
捕獲器を設置し、侵入口前に米ぬかを撒いてから2週間。
アライグマの気配がまったくしなくなりました。
アライグマがいなくなったのは喜ばしいことですが、こちらの対応策に成果が欲しかったところです。
勝ち負けはありませんが、気持ち的には「引き分け」。
とりあえず一難去りました。
次の課題
縁側の天井裏には、アライグマのと思しき糞が発見されています。
天井裏からおしっこが垂れてきていましたし、該当箇所は掃除をしたいところです。
天井裏にアクセスし、掃除をするのが次の課題になります。
こちらも焦らず急がず対応することにしましょう。
今日もよい一日を!
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