今朝もコーヒーを淹れる。挽いた豆と焙煎で漂うにおいは好き。味はあまり好きではない。

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こんにちは。

とっちゃんです。

町で何かのにおいをかいだときに、思いがけず記憶がよみがえることってありませんか?

ぼんやりはしているものの、立体的で、感情つきの記憶が。それはどんなにおいですか?

目次

背伸びして、がんばって飲むもの

大きな町の地下街で、自家焙煎の喫茶店の前を通るのが好きです。とてもいいにおい。

ああ、ずっとこの空間にいられたら。大好きなにおいで、こんなアロマがあったらほしいなと思います。

家で焙煎するようになってから3年ほど経ちます。月2~3回、自分が飲む分だけ。焙煎した豆を、毎朝手回しミルで挽いて、ドリップして淹れます。

40代になるまでは、なんとなくあこがれはあったものの、特に興味をひく対象ではありませんでした。

ドリップも、手回しミルも、自家焙煎も。そもそもコーヒー自体、好きな飲み物ではなかった。

ブラックコーヒーは、背伸びして、がんばって飲むものでした。

カフェでブラックで飲んでいる友達は大人っぽく見えたし、地域の集まりで小さな紙コップで出てくる濃いインスタントコーヒーは、砂糖とミルクを入れないと飲めないし、缶やペットボトルのコーヒーは、コーヒー風味の甘い飲みもので、ブラックの缶コーヒーなんて誰が買うんだろうと思っていました。

非電化工房のコーヒー焙煎器

ただ、地下街の焙煎のかおりは、この世界で最も好きなもののひとつ。

それに、コーヒーのある生活は、わたしの中の理想のじいさん像に欠かせないエッセンスでもありました。

ならばいっそのこと、一足飛びに自家焙煎をやってみるのもおもしろいかも。

興味のあるアクションから入って、奥深い世界の入り口に向かっていくアプローチ。試み。

そんな思いを片隅に育てているときに目にしたのが、「非電化工房」のコーヒー焙煎器です。

一生モノというフレーズが刺さってしまうわたしにとって、「半永久的に使える」コーヒー焙煎器って魅力的。

このときは競合商品を調査することもなく、お手頃で小さくてかわいらしいフォルムの焙煎器を購入し、正しいじいさん像への第一歩を踏み出したのでした。

ですが、コーヒー焙煎の内製化は、実はもうひとつの壮大な試みでもあるのです。

ひそかな試みは、ナイショのままで

フランスでは「味覚教育」なるものがあります。

現地に見学に行ったときに、記憶と五感のことを先生が教えてくれました。

味の記憶、においの記憶、音の記憶は、視覚の記憶よりも脳の記憶装置に近い。

より立体的に感情つきで思い起こされる。特に嗅覚は加齢による喪失が起こりにくく、優れた記憶想起装置なのです。

高齢者施設のプログラムでは、味やにおいをきっかけに、過去の(好ましい)記憶をたどるエクササイズを行うこともあるそう。

そういえば、町ですれ違った人の香水のにおいをかいで、はじめての家族で行った海外旅行の記憶がよみがえったり、実家の物置にあるすき焼き鍋を箱から出したときのにおいで、当時の食卓を思い出したり。

我が家は外出や旅行をたくさんする方ではなく、写真もあまり撮りません。

畑をしたり、ニワトリを飼ったり、マヨネーズをつくったり、パンを焼いたり。

家でつくる愉しみを共にしつつ、日々を暮らしています。

家族で食卓につく、我が家ではあたりまえの風景はかけがえのない幸せで、写真には残せない日々の幸せを、自分の大好きなにおいの記憶にしよう。

そんな、壮大なプロジェクト。

子どもたちが巣立って、大きな町の地下街を歩くとき、思い出すのはどんな風景?

それがそのときの彼らを元気づけてほしいな。

そんな思いはナイショにして、今日もガリガリ、豆を挽きます。

今日もよい一日を!Have a nice day!

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この記事を書いた人

年間100リットルのビールと100リットルのコーヒーを飲み、200杯のカレーと300杯の味噌汁と60㎏の米を食べ、2500時間眠ります。

大阪生まれ。中学高校は東京。地方大学を卒業。在学中にオーストラリアや東南アジア放浪10か月を経て、農業法人に就職。在職22年。

22歳までは家族と社会に育てられ、66歳まで会社勤め、88歳で生涯を閉じるとすると、44歳はキリのいいターニングポイントと思い立ち、ブログをはじめました。

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