土日が仕事ということもあり、ろくに連れ出すこともなく育ってきた息子も、春から高校生。
キャンプでも行こうかと声を掛けたら、意外にも乗り気の返事。
ふたりで海のきれいな浜辺に出かけることになりました。
高校生になる息子とやりたい10のこと~キャンプ1日目~
向かったのは、三重県尾鷲市にある三木里海岸。
1.目的地に向かいながら将来の話をする
約2時間のドライブで、中学校の話や野球の話。
わたしは世の中や社会や学校に対して、特に主張したいことのないタイプでした。
彼にはいろいろ主張があり、中学校の先生の教え方や、野球の監督やコーチのあり方について、逐一、論点を持っています。そういえばわたしの兄も主張のタイプで、しょっちゅう、学校の先生の批評を論じていました。これは長男の特徴なんだろうか。
- 特にやりたいことはないけど、大学には行くつもり。
- 何しに行くのかの目的はない。
- 学校では、定期的に目的や目標を迫られる。
目的や目標をはっきり持つべき、という価値観しかないのは、ちょっとだけ苦しい。そんな息子に、親としてはどう関わるのか。
わたしは目的や目標をはっきり持たずに生きてきたので、こちら側からの考えを伝えることはできます。
- まわりの大人(教師、親、監督)は、目標志向を推しがちな人種。
- 目標志向は、価値観・生き方のひとつで、唯一絶対ではない。
- 目的や目標が定まらないからといって、焦ることも落ち込むことはない。
- 目的や目標がはっきりしていることに越したことはない。
- たくさんの大人の生き方に出会って、取捨選択ができるといい。
わたしから見ると、彼は秀でたものをたくさん持っています。
- ものごとの説明がうまい
- 集中力がある
- 模写がうまい
- 数学が得意
- 細かいことを気にしない
- リーダーシップがある
- コミュニケーションがとれる
- 順応性がある
- 味覚が優れている
- 工作が好き
- 何事もまじめに取り組むことができる
設計やデザインの仕事とかは?建築、インフラ、設備、機械とか。そのまわりにもいろんな仕事があるよなー。
これから興味が向いてくる分野を探しつつ、そこに発揮すべき社会基礎能力を、学校や部活やアルバイトで身に着けていくんだろう、というわたしなりの考えを伝えてみました。
ドライブはふたりとも前を向いて進んでいるので、こういう話題も自然と聞きあうことができます。ダイニングでは難しい。
2. 海鮮丼を2杯食べる
お魚いちば「おとと」に到着!
わたしは、お目当てのぶりトロ丼(740円)。
食べ盛りの息子は、地魚丼DX(1,230円)と生サーモンどんぶり(920円)!
食堂のテレビで、春の高校センバツ広陵vs青森山田を見ながら、大満足ランチでした!
店内で、スルメイカの一夜干しとサザエを4つ購入して、いざ目的地へ!
3. ふたりで温泉に浸かる
釣具屋さんで釣りのエサを手に入れ、ちょっと予定より早かったので、古道の湯に立ち寄り、風呂に浸かりながら予定の確認。
とにかく天気がよくて、気持ちのいい時間。
4.浜辺でキャッチボールをする
三木里海岸に到着し、テントを立てて荷物をおろし、拠点ができました。
野球少年の息子と浜辺でしたいことナンバーワンは、やっぱり親子でキャッチボールです。
小学4年生に野球をはじめたころは、庭先でせいぜい15mくらいの軟球キャッチボールで、サッカー少年だったわたしでも悠々対応できていました。
今となっては球は硬球、距離もどんどん伸びて、投げ方もろくに習得していないわたしにとっては、けっこうたいへん。息子にフォームを教わりながら、肩を痛めないように投げます。
他に誰もいない浜辺でふたりでキャッチボール。距離はどんどん伸びて、ついには100mほどの距離に。
5. マッチの正しい使い方を教える
火おこしは、男のキャンプのハイライトのひとつですが、今回はちょっと手抜きで、マッチと着火剤で。
小学5年生の時の林間学校で、マッチに火をつけたようだったので、マッチ→着火剤→炭への点火を任せました。
なかなかうまくいかない。
マッチの使い方はこうです。
- マッチを取り出し、箱の側面に擦り付けて点火
- 勢いよく発火した炎を、木の軸に燃え移らせて、火を安定させる
- 着火剤に近づけて点火する
①の勢いだけで着火剤に近づけても、火薬が燃え尽きるとマッチの火は消えてしまいます。
②の段階を踏むと、着火剤に燃え移るまでに十分な時間がとれることになります。
ただし、慣れないと難しいのは、
- 風にあおられて火が消える
- 軸を持った指に、火が迫ってくるのが怖い
手のひらで風よけをしながらマッチをする持ち方と、火がゆっくりと軸に燃え移る角度を解説しながら教えます。
6. カップヌードルを食べる
今日のメニューは、焚き火台でソーセージ&海鮮バーベキュー。
家の近くにある日本一おいしいソーセージ屋さんのソーセージを買い込んできたのと、おととで手に入れたスルメイカ一夜干しとサザエのつぼ焼き。
スノーピークの焚き火台で、食事を整えます。
炭水化物は、カップヌードルに決まり!
こちらもスノーピークのフラットバナーで湯を沸かし、大好きなカップヌードルをすすります。
息子ははじめての一夜干しに感動、サザエのつぼ焼きも上手にできて、ソーセージは焼くだけで安定のおいしさ。
シメに恒例の焼きマシュマロ対決も楽しんだら、完璧なバーベキュータイムもおしまい。
生焼けリスクのなく、タレもいらないソーセージバーベキューが、楽ちんキャンプのおすすめメニューです。
7. 満天の星の中に、流れ星を見る
あたりはすっかり暗くなり、星が出てきました。
自宅の夜空もきれいですが、ここは別格の夜空。
これまでで一番きれい、という息子。
満天の星を横切る飛行機や、人工衛星らしきものを見ていると、一筋の流れ星!
顔を見合わせハイタッチ!
ひとりで見る流れ星は、ひとりでかみしめる愉しみがありますが、ふたりで見る流れ星は、わかちあう感動がひとしおです。
8. 流木で焚き火をする
調理が終わって、楽しむだけの焚き火の材料は、砂浜に流れ着いた流木で。
浜にはよく乾いた大小さまざまな流木がたくさん落ちています。
ヘッドライトをつけて拾い集め、バーベキューの残り火から火をもらって至福の焚き火タイム。
9. 「月の道」を見る
山の端っこがほのかに明るくなってきました。
もしや月の出では?
テントでゆっくりしていた息子に声をかけ、月の出を拝みました。
月が昇ってくると、海面に一筋の光。
月の道です。
はじめて見る月の道を、感動に浸るのではなく、なぜ出現するのかを考え解説をはじめる息子。
ふたりが離れてみても、いずれも自分の方に向かってくる月の道の不思議。
10. テントの中でお気に入りの漫画を読む
テントの中では、息子がお気に入りのDr. ストーンを10冊持ち込んでいました。
浜辺のキャンプに、Dr. ストーンを持ち込む粋な演出に、わたしも久々に読みふけりました。
悠久の昔から、休むことなく打ちつける静かな波の音を聞きながら。
高校生になる息子とやりたい5つのこと~キャンプ2日目~
悠久の昔から、休むことなく打ちつける静かな波の音で、全然眠れずに迎えた朝。
11. 淹れたてのカフェインレスコーヒーを飲む
朝のルーティーンを持ち込むのも、キャンプの愉しみのひとつ。
今日は息子と飲む想定をして、カフェインレスのコーヒーの豆を持ってきました。
ユニフレームのケトルで湯を沸かし、世界最高峰のコーヒーミル・コマンダンテで豆を挽き、ゆっくりとコーヒーを淹れる。これをやりにキャンプに来たようなもんだな。
12. 焚き火で、カリカリのはちみつトーストを焼く
少しだけ炭をおこし、網の上で直火でトースト。これが最高においしい。
今回のキャンプで大活躍のチューブバターを塗って、さらにこんがりと焼き、はちみつを垂らしていただきます。
息子はガーナチョコレートを乗せて溶かし、ご満悦のようす。淹れたてのコーヒーとともに。
13. 釣りをする
釣具屋さんでは「んー、釣れるといいですね」と言われて、サビキのセットだけ購入して、堤防釣りに挑戦。
あまりに透明な海なので、魚がいるかいないかははっきり目視できます。
釣るには小さすぎる魚の群れが見えました。
サビキ篭を落とすと、引っかかってきたのは「ネンブツダイ」。
Googleレンズで検索をして、食べられることが判明。続けて釣ることにしました。
釣りに行ってもボウズ経験の多い息子は、楽し気に釣りにいそしみ、その間にわたしはキャンプベースの撤収。
14. きれいな貝殻を拾って幼い妹の土産にする
早朝からゴミを拾う地元の方もいて、三木里海岸はとてもきれいです。
きれいな石ころや貝殻が好きな幼い妹のために、お土産を少し拾いました。
コーヒー豆を入れてきた小瓶に、貝殻をいっぱい集めます。
15. もう一度、浜辺でキャッチボールをする
午前中から雨が降るとのことだったので、早めに片づけを済ませました。
釣果は16匹と、ひさびさの釣りを満足のうちに終え、いよいよ出発。
わたしとしては、やることは全部やった感じでしたが、少し時間の余裕もあったので、
「あと何かやりたいことある?」と聞いたら、
「もう一回、キャッチボールしたい」と息子。
撤収したグローブとボールを取り出して、再びキャッチボール。
人生のハイライト
体が元気で、予定が合って、天気がよくて、仲がいい。
望んでもなかなか得られない機会を、ふたりで存分に楽しんだ2日間。
これ以上ない。
また行こう。
今日もよい一日を!
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